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ソースティン・ヴェブレン
ヴェブレンの経歴
ソースティン・ヴェブレン(Thorstein B. Veblen, 1857-1929)
・1857年、ノルウェーからの移民の子として アメリカのウィスコンシン州で生まれる。
・1874年、カールトン・カレッジに入学。
・卒業後にコーネル大学、シカゴ大学、スタンフォード大学、 ミズーリ大学へと回るが、教職への不向きなどで 最終的に大学に職を見つけられなかった。
・1899年、『有閑階級の理論』
・1904年、『営利企業の理論』
・1909年以降、雑誌『ダイヤル』の主筆、 夜間大学の講師として生計をたてる。
以後、たくさんの著作を残し1927年から山荘に引きこもり生活を送り、1929年他界。
時代背景
ヴェブレンが生きていたときのアメリカはまさに大転換期であり、リンカーンが大統領に就任した時です。また南北戦争が勃発したり奴隷解放令や第一次世界大戦などもありました。
本格的な資本主義社会となり、ロックフェラーや、カーネギーなどのが登場し、いわゆる『黄金狂時代』に突入していました。
この時代のアメリカでは、資本主義が始まり貧富の差が激しくなりつつありました。
それにともなう富豪たちの贅沢な生活様式などから、ヴェブレンの有閑階級の理論や批判が形成されています。
ヴェブレンの理論
まずヴェブレンを説明する際に最も大事になるのは「制度」という言葉です。
「制度」とは思考や習慣のことを指しますが、これがどのように形成されるかが非常に大事です。
「制度」は人それぞれが自ら考えるものではなく、支配されているものだと説明しています。
つまり「制度」というものは「時代毎に支配的な人々の思考の様式」であるということです。
今の社会では、みんなブランド品をほしがりますよね。
中には、興味のない人もいますが。。。
そのブランドっていうのも「制度」が作り出したものと言えるでしょう。
実際には3万円もするブランドの財布も、性能的にはそこらへんで売ってるある程度の財布と大差ありません。しかし、3万円もして何故みんな買うかといえば一種のステータスとなっているからです。
そしてそのステータスを決めているのは、社会を支配している人たちです。
現在社会を支配している人っていうのは、直接的にはいませんが、間接的には収入が多い人、つまり一握りのお金持ちによって私たちの「制度」が形成されています。
このように「制度」が決められていますが、個々人の意思ではそう簡単にこの「制度」から抜け出すことはできません。なぜかと言うと、この「制度」は社会的なルール、常識として成り立っているからであり、「制度」に批判的な人は非常識な人とみなされます。
また、生まれたときからの思考の様式として教育されているからです。
ですが、この「制度」がないと生活を円滑に生きていくことが困難になります。
「制度」つまり常識がないと、人は1つ1つの物事に対して、理性的な判断が求められます。
しかし「制度」があると、常識として成り立っているので当たり前として片付けられるのです。
この「制度」という言葉がヴェブレンの理論では非常に大事な要素になっています。
進化経済学
ヴェブレンは進化経済学という理論を構築しました。
人間が進化していく際に、どのように発展するか述べられています。
まず人間には2つの本能があり、2つを「モノ作り本能」と「競争心」と言っています。
「モノ作り本能」とはいわゆる職人魂ってやつです。モノを作ってよりよい暮らしに変えていく本能です。「競争心」はそのまんまですね。誰かに負けたくないという気持ちのことです。
この2つの本能によって社会は進化していきます。
ヴェブレンは歴史的発展段階を4つに分けました。
T、未開時代
いわゆる原始時代ってやつです。
この時代、人は毎日生きるか死ぬかの時代だったので競争している場合ではなく、みなよりよい暮らしを求めて、「モノ作り本能」のみによって生活していました。
U、略奪時代
未開時代から進歩すると、さほど普段の生活から生命が脅かされることはなくなります。
そうなると、人の上に立つ者が現れ、封建時代のように暴力で富を得るようになります。この時代は「モノ作り本能」:「競争心」が7:3ぐらいです。
V、反平和愛好的な略奪段階
この時代になると、略奪時代のように暴力で利益を得るのではなく、商人がうまく商売をすることによって準略奪するようになります。商売だから、略奪ではないように思われますが商人が利益を得るということは、その分誰かが損をするのでこれも一種の略奪ということになります。
この時代は、「モノ作り本能」と「競争心」が大体半々ぐらいです。
W、平和愛好的産業段階
この時代が現在です。
生産性は高まり、安全な生活が送れるようになります。しかし、この時代は所有がゲームとなり、有閑階級という人々が形成されます。この時代は「モノ作り本能」:「競争心」が3:7ぐらいで、ほぼ「競争心」によって成り立つ社会です。
ヴェブレンはこの段階に否定的な立場を取っています。
有閑階級の理論
Wの段階に入ると有閑階級が形成されると説明しました。
この有閑階級というのは成功した資本家階級ということであり、日々の生活に追われることがなく金利だけで生きていける人たちのことです。
ほとんどの人たちは、日々の生活のために働きます。
しかし、この有閑階級は働く必要もなくお金もたくさん持っています。
彼らの消費はほとんどが見せる消費です。
この消費を顕示的消費と呼びます。
顕示的消費というのは、社会的に自分が高い立場であるということをアピールするための消費のことで、見せる消費です。
この顕示的消費によって、有閑階級は他の階級との差別化をして、われわれの社会のなかで「善い」「悪い」という、「制度」を形成します。
そして、この有閑階級を真似る追従集団が形成されます。
追従集団というのは、有閑階級ほどゆとりがなくても「競争心」によって自分よりも下の人と
序列化をもとめる人たちのことです。
追従集団は有閑階級が行う顕示的消費をできる範囲で真似して、この顕示的消費のできる量によって社会のなかで序列化が行われます。
このように有閑階級の理論を考えていくと、現在の消費のどれだけが顕示的消費なのかがわかってくるでしょう。ブランド品や高級住宅風な家や、さらにはCMの商品など。
現在の我々は自分の意思ではなく、外のほかの刺激によって意思が決められているのかもしれません。
「制度」を知らないことは、「制度」に縛られることになるでしょう。
客観的に「制度」を知ることができれば、「制度」から解放され、
本当の自由を得ることができるでしょう!
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